2002年9月28日

幌内歩こう会2002 第5回目

炭鉱土木を巡る



人車(事務所〜布引立坑まで人員輸送していたトロッコ)の隧道や排気風洞など、山中に残る炭鉱土木の数々を見て回りました

途中で雨に降り込められましたが、「炭鉱で短歌」大会も開催し満足の一日。


古い地図を見て、場所を確認しながら進みます。

今回のフィールドの奔幌内地区は、 解良塾長の出身地。

2,000人が 住んでいた頃の 思い出がよみがえり、説明にも熱がこもります。

「この辺にあるはず…」と 見当をつけて、背丈以上に 伸びた雑草を刈りながら進みます。

「あった!」と喜んで近づいてみると、違っていていてガッカリします。

とうとう見つけた人車連絡隧道の坑口。

本沢地区にあった繰込所から 奔幌内地区の 布引立坑まで人車で連絡していた頃の名残。

「隧道坑口を見に行きましょう」と言った手前、見つからなかったらどうしようと思っていた コーディネーターの吉岡さんも一安心。

坑門に駆け寄る参加者を見て 満足の微笑み。

今日のメイン遺産その2。

大正時代に建設された布引立坑のレンガ建て巻室。

室内には入気立坑のケージ(坑内に垂直に降りて行くカゴ)を巻いていたモータの台座が残っています。

排気立坑や排気斜坑から、巨大な扇風機で 坑内からの空気を吸い出していた名残の風洞。

風洞の中に入ると
独特の空間が広がります。

ちょうど雨が降ってきたので、皆で雨宿り。

雨足が強くなってきたので、一同、立坑巻室に待避。

予定していた奔幌内水源地ダムには、行けそうもないので、この間を利用して、「炭鉱で短歌」大会を開催。


輝け! 第1回幌内炭鉱遺産短歌・俳句大会「炭鉱で短歌」

雨宿りの一時を利用して、煉瓦建ての建物の中で、短歌・俳句・川柳・標語…を詠む、短歌・俳句大会「炭鉱で短歌」を行いました。特選には参加者最高齢の磯野さん、佳作には草刈り鎌を持って道を切り開いてくれた上野さんの作品が選ばれ、豪華賞品(キノコ…ごく少量ずつ大事に食べれば1年分)が授与されました。

■全作品…印象や興味関心の所在が良くわかって面白いです

  • 轟音時 今は静かな 城となり  (磯野)

  • 大雨で かった草木も すぐのびる  (上野)

  • 全盛期 今は古跡となりて さびしかな  (磯野) 
  • 雨やどり 立坑も 昔日のごとく にぎわいけり  熊谷
  • ヒカリノマ クロイダイヤノ ロマンミテ  (酒井/裕)
  • 忘られぬ 止まったときと 記憶たち  (酒井/美)
  • 初参加 やっと見けた 古隧道  (滝澤)
  • 山の奥 草木と空と 人の記憶と  (櫨山)
  • あまおとを ゆっくりきいて ねむりたい…  (高橋/智)
  • まだ知らぬ 林の中の 記憶たち  (梅村)
  • 雨の中で まだ若いと思ったが もう三十五年 昔なつかしき  (斉藤)
  • ふみしめた 枯れ葉のにおい ふるさとか  (岡野)
  • 廃屋に からまるぶどうの 生命力  (武田)
  • 草を分け 笛を鳴らせば 歩こう会  (松田)
  • 樹々の中 昔の街が 目に浮かぶ  (古宮/新)
  • つたのからまる レールの先の 休みの街に 響く雨音  (古宮/乃)
  • 立て坑が さみしく流した 涙雨   (小野)
  • 美しき 遺跡よ 永遠に 奔幌内   (浅見)
  • 廃坑の 雨宿りにて もの思ふ 昔の暮らし 懐しきかな  (中村)
  • 街栄え 人溢れてた幌内に 時代(とき)流れても 想いは青年のとき  (長尾)
  • 風洞の 胎内に居り 長き雨   (柴田)
  • 幌内歩こう会 歴史博物館を 見る思い  (高橋/嘉)
  • 雨の炭鉱(ヤマ) みんなで帰れば こわくない  (山下)
  • 雨のおと 滝と想えば 布引坑  (石川)
  • 新妻は 夫をほおって 歩こう会  (澤永)
  • 布引の 立坑寂し 秋雨(あめ)に佇む  (解良)
  • ずい道は ずい分前に ズリ落ちて ズリ山の影 風スリ抜ける  (吉岡/宏)
  • ポキポキと かれ木踏みしめ はっぱのにおい  (吉岡/美) 

いつも短歌を添えて幌内歩こう会の感想をお送り頂く“柴田久子師匠”は、大会では不調でしたが、後から素敵な短歌を一首詠んでくれました。

  • 布引に 眠り続けし風洞に 夢を写すは 雨垂れの